ADHD/発達

私が38歳でADHD診断されたときのおはなし

ADHDとは?~診断までの経緯~

私は38歳のときにはじめて「ADHD」の傾向が強いとメンタルクリニックで告げられました。その経緯をご紹介します。

自分はADHDの気質があるかも?

はっきり覚えてませんが数年前に、Twitterでふと見かけたADHDあるあるっていうタグがきっかけでした。そのタグをたどってみると、ADHDの人がはまりやすい失敗談やあるあるな出来事がたっくさん出てきました。どれもこれも、自分にあてはまるものばかりで驚いたのを覚えています。

アオリンゴ

こ、これはわたしのツイートですか?と思ってしまうくらいだった…笑

もしかして…とすぐにADHDについて調べました。発達障害やADHDという単語は以前から知っていたけど、自分に関係があるとは正直思わなかったし、軽い気持ちでいました。

ネットでADHDセルフチェックをやってみた結果

いくつかやってみた結果、いずれもADHDである可能性がありますという結果になりました。チェックをつけるとこはだいたいあてはまりました。自分の個性だと思ってたことが他の人にもあてはまることだったんだな、自分と同じような人がほかにもいるんだなってところが、妙に安心したのを覚えてます。

でも、ま、そんな性格も不得意なことが多い自分とこれまで40年近く生きてきて、だからこその長所も得意なことがあることも知ってたしそんなに気にはしてませんでした。

アオリンゴ

短所と長所は表裏一体だもんね。不得意なとこ無理になくすといいとこもなくなっちゃう気がしてて。

人からはじめて指摘された

当時わたしはシングルになって5年、不動産会社の会社員やデザイン業のフリーランスと並行して、NPO法人を立ち上げたばかりでとても忙しい日々を送っていました。そのときにお世話になったある方と食事をして、お店を出てしばらくしたときでした。ふとなにげない会話の中でその人がこう言いました。

「アオリンゴさんや僕のようなADHDはさ~」

アオリンゴ

え?わたしがADHD気質があるって、外から見てもわかっちゃうくらいなんですん?

その会話のときはそのまま流したんですが、そのあと家に帰ってからもしばらく考え込みました。わたしは他人からみてもADHD気質があるって思われるんだなあ、と。

もしかして気づいてないだけで、誰かを不快にしてたり迷惑かけたりしてるのかも。思い返せばここで初めて少し向き合い始めた気がします。

そこからしばらく、多忙な日々を過ごしながら人間関係のストレス、家事がや子供との時間がとれない時間配分のできない自分へのいら立ちなど重なって、体重が1か月で10kgも落ちちゃいました。食事もろくにとらなくなっていたので頭もフラフラ、少し鬱状態になってる自分にも気づきました。

薬でマシになるかも?メンタルクリニックへ

ADHDについて調べていくうちに、症状を改善できるかもしれない薬があることを知りました。当時はほんとうに仕事を多く抱えていたのですが、わたしは子供のころから昼間容赦ない眠気に襲われたり、ついボーっと頭が完全に別ワールドに飛んだり、複数の仕事があると頭の中がショートしちゃうようなところがあり、それは当時もわたしの悩みのひとつでした。

もしかして、薬を服用することで仕事が少しでもはかどるならこんなに助かることはないし、鬱っぽくなってることも分かってたので、藁をつかむような気持ちでメンタルクリニックをおとずれました。

お薬(コンサータ)を飲み始める

ADHDではないかという話と、鬱っぽいことと、とにかく仕事しなくちゃいけないけど家事もしなきゃいけないしうまくできなくて困ってます!!!なんとかしてください!!!とお話しました。その症状であれば多少なり役にたつかもしれないということでお薬の服用をためすことに。

薬については先生からじゅうぶん説明をしてもらいました。いくつかある中でコンサータという薬を少ない量で試してみることにしました。

コンサータを飲んで驚いたこと

はじめてコンサータを飲んだときのことはよく覚えてます。
飲んでしばらくしてから、言葉にするのはむずかしいけど、なんていうか、頭のなかにかかった霧が晴れたようなかんじで、散らかっていたいくつかの情報がクリアになって片付けることができるような、そんなかんじ。

アオリンゴ

え、ふつうの人ってこんな感じでいつも過ごしてたの?

落ち着いて事務作業がしやすくなったり、昼間に襲ってくるどうしようもない眠気やダルさもなくなりました。私にとってはほんとうにありがたいお薬となってます。

お休みの日はできるだけ休薬するようにしています。
あくまでコンサータはブーストアイテムであって、それがなくてボーっとしてたり眠たかったり忘れ物が多い自分がほんとうの自分だし、そんな自分を否定したくはないと思ってます。

そのほかのADHD治療薬

ADHD治療薬としてよく使われるお薬はコンサータ以外にも、インチュニブストラテラビバンセ(主に子供用)などがあります。

それぞれ服用の方法や脳神経への作用が違ったりします。わたしはコンサータ以外は使用したことがないです。

※コンサータの効能と注意事項

コンサータは、メチルフェニデート塩酸塩を主成分とした薬品で、脳内の神経細胞の間で情報を伝える神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)を増加させ、神経機能を活性化し、注意力を高めたり、衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善してくれます。

中枢神経刺激作用に働きかけるお薬なので、ほかのADHD治療薬と比べると流通が厳しく管理されています。処方箋のほか、医師から発行された専用カードの提示がないと薬局では処方してもらえませんし、処方ができる医師も限られています。

使ってみて依存性は感じません。

コンサータの管理が厳しい経緯は、過去にリタリンという薬品が覚せい剤のような扱いで乱用された過去があったりするそうです。現在ではリタリンはナルコレプシー患者にしか処方されなくなりました。そして、コンサータの主成分がリタリンに使われているものと同じであることから、同じような依存性のある強い薬だと思われている方もいたり、覚せい剤のような強い効き目があると思われている方もいるそうです。

コンサータは、リタリンと違って薬剤がじんわりと少しずつ体内に溶け出すように設計されていて、砕いて一気に飲むとかそういう乱暴な扱いができないようになってます。わたしも日々服用してますが、休みの日は飲まなくても全然平気でとくに禁断症状がでるとか、そういうのは一切ないです。笑

アオリンゴ

むしろ仕事の日にも飲み忘れてます…笑

薬には合う合わないがあるので、ほかの薬が合う人もいると思うし薬が必要ない人もいると思います。あくまで私個人の感想なので薬の服用はかかりつけのお医者さんとしっかり相談してくださいね。

挫折と鬱~WAIS-III知能検査を受ける

体力もメンタルもいろいろ限界きたみたい

NPO法人を立ち上げてからは本当に仕事が忙しくて、でもやりたかったことを実現できた充実感もあったので次々と仕事を抱えていきました。自分なりに活動がさらに大きくよりよくなるため、と思いいろんな取り組みも進めていきました。そのうち、目の前のことに必死になりすぎてしまい、重要な事務作業が後回しになり、おろそかに。

そして、結果的には私と現場スタッフに大きな溝ができていきました。気づいたときには修復が不可能なほど信頼関係も壊れてしまっていて、わたし自身もいろいろと疲れ果てていました。たくさんの人の期待を裏切ることになり、スタッフのみんなにも大きな迷惑をかけました。

このままではまた誰かに迷惑をかけるかもしれない不安。それまで自信とやる気に満ち溢れてたはずなのに、自分がよかれと思ってやってきたことがそうではなかったショックで、そのころから自分にまったく自信が持てなくなってしまいました。

自分の特性と向き合うべきなのでは

思い返せば、時間を守れない、約束を忘れる、スケジュール管理が苦手、書類や金銭管理が苦手、自分の興味のあること以外は頭に入らない、手につかない、右向いて左向いたら忘れてる、アフターフォローがまったくできない、空気読めない、一度に多くの説明をされても理解できない、とか、社会人として当たり前にできるであろうことができず、母親からはもちろん、バイト先の店長や、就職した会社の上司からもよく怒られてきました。

アオリンゴ

これまで、みんながすっかり覚えてる仕事を自分だけなかなか覚えられず怒られまくったり、書類やお金の管理、家事全般が極端に苦手だったり… 人と会った後はぐったり疲れるとか…(私の場合)

なんでできなきゃいけないの?
なんでしなくちゃいけないの?

それまでは、そんなこともそんなふうに思って(もうちょっと真剣に考えて…って過去の自分に言いたい…)気にしてなかったし、でも今回の大きな挫折と疲れで一気に、そんな自分の不得手な部分がよりネガティブな嵐となって自分を包み込んでいきました。

このままじゃ、また同じ失敗を繰り返してしまう。
いままで感じたことのない危機感や焦りみたいなものに強く襲われました。

ADHDという特性をもった自分と、もっと向き合わなければいけないのかもしれない、とこの時初めて強く思いました。

WAIS-III(ウェクスラー式成人知能検査)の内容

通っているクリニックの先生が以前から「しっかり検査をしてみては?」と勧めてくれてはいたものの、なんとなくめんどくさいなって避けてた検査。自分と向き合うためにに、これではっきりすることがあるならと思って申し込むことにしました。

検査はいつものクリニックではなく、精神科のある大きな総合病院で受けられるということだったので、先生に紹介状を書いてもらい電話で予約をしました。混んでるみたいで予約から1か月近く待ちました。

検査は2時間程度。個室で女性の心理士と2人きりで行いました。先生が出してくるいろんな質問やクイズに答えたり、パズルを解いたり、絵を描いたりしました。10分ほど休憩をとってから、そのあと幼少期の様子や家庭での話、現在にいたるまでの話をきかれたり、自分から答えたりしました。

考えることも多くて少し疲れましたがゲームみたいな側面もあって楽しかったです。

何がどうなって何がわかるのか?素人のわたしにはチンプンカンプンでしたが、発達障害について調べるときにこの検査はよく使われるそうです。検査結果は2週間後になると言われ、その日はそのまま帰りました。

検査結果をきいて

WAIS-III知能検査の結果は2週間後と言われてて、スマホのスケジュールアプリにもいれたのになぜか1週間後にわざわざ車をだして病院に行ってしまうADHD脳を発揮したわたし…

先生に「今日はどうされました?」って言われるまで気づかない。
そういえばこんなんことは今までもよくありました。

「またやっちゃった…」と費やした時間と労力を考えて自己嫌悪になったりしながらも、無事にそのあと検査結果を聞くことができました。

WAIS-III知能検査では、言語力、計算力、記憶力など個人の知的な能力の何が得意か苦手か知ることができるほか、全国平均と比較した知能指数(IQ)もわかります。先生がそれを見ながら説明してくれるのですが、私の場合は基本的なIQは平均よりやや高めでしたが、能力の高い部分と低い部分に大きな差異が見られ、あらためてADHDの傾向が強いことが判明しました。

アオリンゴ

できない自分が悪いんだってずっと思ってたきたけど、原因があるって第三者からあらためて言われることで自分のことも客観視して認められる気はしました。

発達障害って病気なのか?障害なのか?

とはいえ、ADHDをはじめとする「発達障害」と呼ばれるものは人によって程度や症状もさまざまであり、その実態もいまだすべて解明されてるわけではありません。

社会生活を送る上でとくに問題がない人(気づいてない人も)から社会生活が困難な程度の方までいる、幅の広いあくまで「特質(性格でもいいと思うけど)」に過ぎないと思います。

薬を飲んで治るものではもちろんないし、手術して改善するものでもないと言われています。そんな自分を認めて、受け入れて、その特質と付き合っていくものです。もしも社会生活を送るうえで困難な場合は、自分や周囲が困らないように工夫していくことが求められます。

就業することや他者と関わることに大きなハードルを感じる方ももちろん多くいらっしゃいますので、人によっては障害手帳の取得をして「発達障害者」として生きていく方もおられます。

アオリンゴ

私もとある発達障害支援NPOの方に、障害者手帳の取得を勧められましたが申請しませんでした。それについてもまたかきたいと思っています。

結果を受けて病院でしてもらえること

あなたはADHDの傾向がとても強いです」と検査して言われたわたしですが、実際にそのあと病院では何をしてもらったのかというと、とくに何もしてもらってませんw

「ADHDの人はメモをしっかりとろう!」みたいなネットで拾えるレベルのライフハックが書いてるペラ冊子やプリントをもらっただけでした。同じような人たちが集まる互助会を教えてもらったりすることもとくにありませんでした。(聞いてみたけど、なんかそういうのあるみたいですね、ってくらいでしたw)このへんのアフターフォローはかかった病院や先生によって違うかもしれません。人によってここからADHD治療薬の説明とかもあるかもしれないですね。

アオリンゴ

大事なのはここからだからアフターフォローはもっとあってもいいのかなって正直思いました。だからといって何ができる?とも思いつつ。

その後、そして今…

検査結果をうけて半年ほど。
今は自分のペースでADHDや発達のことを調べながら仕事の日はコンサータに頼って暮らしています。同じADHDの人たちが「こうすればいいよ!」ってライフハックもたくさんTwitterとかで教えてくださってるので実行したりして生活を工夫することも楽しくなってきました。

まだまだ書類の管理とかお金の管理とか苦手なことも多いけど、できるだけ自分がしんどくならないように生活全般(仕事も家事も育児も)抱えすぎずに余裕を感じられることを意識してます。

抱える仕事が少なければ頭もすっきりします。
家のなかも断捨離と大掃除をしてさっぱりさせました。

不得意なことも多くて困る場面も多いけど、それも自分だし、だからこそ人よりできることもあるのは確かで、それを誇りに思いつつ(思いあがって調子にのって失敗しないように気を付けつつ…)、今後も自分の特性とうまく付き合いながら並走して工夫しながら楽しく生きていきたいです♡

アオリンゴ

最後までお読みいただきありがとうございました!